ウィザーズ・ブレイン〈5〉賢人の庭〈下〉 (電撃文庫) [感想]
凄かった。ラストの賢人会議は反則だろう。
下巻なので、物語の終わりということでの面白さはもちろんあるのだけれど、最後が全ても掻っ攫っていきました。様々思うところは個々にあるだろうが、印象に残るのは最後だろう。
終わりの始まり、まさにそれだった。
サクラとイルの戦いには決着がついて、言ってしまえば決着とは引き分けのことなのだけれど、それぞれが抱えているものをぶつけ合った結果がそれ、というのが、お互いの立場のことも暗に指している気がして。
また戦うだろうし、お互いにお前は自分が倒す、というスタンスでいるというのも、お互いに敵だけれど、敵という枠を越えれば理解し合っていて、相手のことを分かっている。でも二人は戦うんだ、というのがまた上手い。
何回も書いているけれど、どっちが正しいではないから……。
ディーとセラの関係にも納得できました。決意したディーの強さは凄まじいものがある。元から騎士としての弱点がないディーに、祐一の森羅が加わって更に手がつけられない。
本人では力を制御出来ないのが怖いですが、是非ともセラとは幸せになって欲しいので死なないでくれと願う。ディーとセラ、戦い終わって二人が顔を合わせたときのやり取りも何とも切ない。温かい光に包まれているようで、心地良い。
祐一のアシストからの、セラの一言は効きました。
面白かった。
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- 作者: 三枝零一,純珪一
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