ウェスタディアの双星〈6〉銀河大乱前夜の章 (電撃文庫) [感想]
今回は少し微妙でした。前夜とあるように、これから起こっていく大戦への布石だったり、次に繋がっていくところを描いているのはいいけれど、物足りない。
というのも、見せ場である艦隊戦を素直に楽しめなかったので、どうも退屈に映ってしまった。読んでいて艦隊戦をする前にするべきことがあるだろうとアルファーニに問いかけたい気分だった。
果たして戦わなくてはならない戦いだったのか。
最初からシャーラを帰すと通信していれば、この作品的に大いに回避できた戦いである気がする。もっとも、それをしてしまうとエンターテインメントが無くなってしまうのも事実で、難しい。
結局はどちらにしても、物足りなさは感じていたのかもしれないのだけれど、そこは考えてしまいました。ある意味、あの艦隊戦でマイラーノの優秀さが分かったりしたので無駄ではないのだけれども。
ルフェールに半ば強制的に徴兵された形になった小国たち、ここでの作戦会議は良い。国名だけで記号のようだったのが、人物が描かれることで深みが増した。
逆に今度は、人物に記号のごとく国を当てはめることが出来るのも分かりやすい。特にルフェールなどは嫌味さが出ているし、シリーズ通して徐々に大国の嫌な部分が見えてくるのは上手い。
物語のバランスは相変わらず安定しているので、とても読みやすい。次も読みます。
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