Infinity recollection

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世界平和は一家団欒のあとに〈5〉追いかけてマイダーリン (電撃文庫) [感想]

世界平和は一家団欒のあとに〈5〉追いかけてマイダーリン (電撃文庫)

 

 もう柚島さんお嫁に来ちゃえばいいのに。

 

 作中で四巻の出来事以降、彩ねぇが竜介さんの家へご飯を作りに行ったりして、まるで通い妻をやっている、みたいなことを軋人が言うのですが、それでは軋人の前に並んでいるご飯を作ったのは誰だというのでしょうね。

 

 今回は父の浮気にとうとうキレた母が家出をしてしまう話なので、誰も食事を作れる人がいない。それを見かねて、わざわざ柚島さんはご飯を作りに来てくれているというのに……。

 

 それは星弓家、家族を救うことになるわけだけれど、やはり一番世話を焼きたいのは軋人のことなのではないかな。そんなことを感じさせてくれるのが良い。

 

 毎回だけれど、周囲を見渡しているのに自分の足元を見ていない、そんな軋人と柚島さんの自然な距離感が魅力でした。これがいつになったら縮まるのか。

 

 ――さて、家出した母を連れ戻す話で、母と父の話なわけですが、正直に言えば読み終わったときに物足りなさを感じた。頁数が少ないことも影響しているのか盛り上がりが足りない。

 

 あっさりしているのは良さになりえるけれど、今回はあっさりし過ぎていた印象。展開がぶつ切りに映った部分も何箇所かあった。

 

 けれども、話の流れは好きですし、やっていることは変わっていない。文章は至っては異常なくらい読みやすい。軽く読めるのにバランスが傾いていないのは上手い。

 

 新キャラクターのじいちゃんは良い活躍してくれました。じいちゃんがいるだけで場が和みます。普段はボケる人が少ないので、じいちゃんのようにちょいちょいボケを入れてくれる人は貴重です。

 

 面白かったけれど、物足りなさが残った。

 

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