Infinity recollection

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ぼっちーズ (単行本 アスキー・メディアワークス) [感想]

ぼっちーズ

 

ぐへぇ

 

ある大学を舞台に描かれる短編集。特別なものが欲しいわけではなく、誰もが気軽に手にしているものが欲しい――友達がいない人たち、ぼっち達が友達を手に入れるために頑張る話。

 

友達とは何だろう。

 

作中で、友達とは自己愛という解説がされるのだけれど、これは聞いたことがある人はあるだろう。つまりは、他人に自分との共通項を見つけることで、仲間意識が働き、自分と同じだ、とそこに自己を投影する。誰しも自分が好きだから、自分と同じ他人のことは好きになれる。それが友達だと言い換えている。言われるとああ、なるほどと納得してしまう。

 

人によって友達というラインには個人差があって、その壁が高い人もいれば低い人もいる。他人と友達の違いはどこなのだろうか。そもそも、友達が多い人はそんなことは考えていなくて、誰もが深くは考えず当たり前のように友達を作っている。

 

けれども、彼らにはそれが出来なかった。

 

大学生活に友達が欲しくて、独りぼっちが集まるわけだけれど、それで集まってもぼっち達になるだけ、というのは興味深い。普段は友達として接している人間も、言うなれば他人で。人間誰しも友達と思い込もうとしているだけで。

 

世界にはぼっちしかいない。

 

だから、友達として集まっても、そこにはぼっち達が溢れているだけ。斜めに見ているかもしれないけれど、それを本気でやっている奴がいる。

 

独りぼっち達を読んでいくことで、友達の本質が見えてくるのは面白かった。読み終わったときに、物語に納得できる。

 

 Presented by Minai.

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