Infinity recollection

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火の国、風の国物語〈2〉風焔相撃 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

火の国、風の国物語2 風焔相撃 (富士見ファンタジア文庫)

 

物語が動き始めた。今まではアレスを中心に物語が描かれていたけれど、二巻からはジェレイドと風の戦乙女も描かれていく構成となっていて、より物語が面白くなっている。

 

火の国、風の国だけに、両方の視点から物語を読めるというのが魅力だ。王国軍と反乱軍では、やはりそれぞれ思うところがあるし、お互いに敵であり、自分たちが正義。

 

お互いが認知している相手の像がまだ食い違っているし、食い違っているからこそ面白い。それをどちらも見られるのは良い。

 

兵士の練度、武具の質、一騎当千なアレスという切り札を備えた王国軍が力とするのなら、知略で活路を見出すのが反乱軍もとい解放軍。その指揮官ジェレイドは剣も振るえない優男なのだけれど、その智謀は冴えている。これに風の戦乙女が加わることで、王国軍すら退けられる力となる。

 

その演出とバランスが絶妙。

 

アレスという一騎当千の強さでもって敵兵を倒していく爽快感を読ませてくれると同時に、ジェレイドの知略をもって堅実に軍勢で戦うという面白さも読ませてくれるので、単純に一冊で二倍面白い。

 

赤の悪魔憑き VS 風の戦乙女

 

特に、最大の見せ場であるところの一騎打ちを見られたのは大きくて、読んでいて胸が高鳴った。最高のタイミングで登場するのだからやってくれる。この展開を読んでしまうと、これからどうなっていくのか全く予想が付かなくなった。

 

また、この作品は戦いだけが面白いわけではない。アレスと王女の関係だったり、王宮での事件、ジェレイドの身の回りやら、楽しめる要素がとても多いし、その全てに期待してしまう。

 

面白かった。続刊も是非読みたい。

 

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