烙印の紋章(7) 愚者たちの挽歌よ、竜に届け (電撃文庫) [感想]
引きが憎らしいほど気になる引き具合。
正直なところ、物語は進んでいない。タウーリアでガルダと戦ったオルバだが、彼はメフィウスに戻るわけではない。物語は思い悩んでいるビリーナのギル探しが描かれていく。
気持ちの整理が付いていなかったビリーナが、自分の意思で動き始め、実感が湧かないでいたギルがいないという事実に涙を流す。けれども、彼女は諦めているわけではないし、どこまでもビリーナらしさを貫いているのは強さ。
オルバにしてもことあるごとにビリーナのことを考えていて、土産で赤面してみたり、戦いの最中でも彼女の影を見ている。オルバの中でもビリーナの存在が一際大きくなっている。
また、意気消沈していたエスメナがオルバの秘密に勘付いたのはそうだが、素顔を知ってしまってどうなるのか。
そんな中で、メフィウスがタウーリアに侵攻を開始する。今回は小競り合い程度だけれど、ここからギルとグールの親子対決という流れになるのだろうか。
何が起こるのか本当に目が離せない作品だ。物語の伏線が張られたに過ぎないので、退屈してしまったところもあるのだけれど、楽しんで読んでいるシリーズには違いがない。続きが今にでも読みたいし楽しみだ。
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