ルナティック・ムーン〈2〉 (電撃文庫) [感想]
ウェポンとしての生活を送り始めたルナ。稀存種なのでその強さは群を抜いているかと思いきや、他のウェポンの足を引っ張るばかりで全然役に立てない。
集団戦に慣れていない、力の使い方を把握していない、などの理由はあるけれど、ルナはそんな不甲斐ない自分に焦燥感を懐く。
また、シオンにしても全治二週間の怪我から戦線離脱を余儀なくされていて、戦えないことに焦っているし、弱くなることに恐怖している。
ルナとシオン、どちらも強くなりたいと考えているけれど、お互いにこれまでは他人に頼らず一人で生きてきたところがあって、どこか脆さがある。それが二人の視点を行き来しながら物語が描かれることで変化していく。
序盤で二人が交わした会話と、エピローグで二人が交わした会話、少しではあるけれど相手を許容するような、距離感が縮まっているのが良かったし、関係性がどうなっていくのか期待。
どこまでもダークに人が死んでいく。
一巻では多くの登場人物が死んでいったのだが、容赦なく二巻でも人が死ぬ。自分を気にかけてくれていた人間、特別な人になりそうだったのに死んでいくのは切ない。
物語は明確に繋がっているけれど、エデンに来たことで新しく物語が始まっているので、カロマインやフィオナなどの稀存種、セールやレインなど登場人物がどのように絡んでくるのか、ルナとシオンとどこにいくのか楽しみ。
面白かった。
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- 作者: 藤原祐,椋本夏夜
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