煉獄姫 ニ幕 (電撃文庫) [感想]
煉獄の姫とその騎士の物語。今回はフォグのことを兄と呼び、アルトとは友だったという少女、キリエが登場する。この少女と出会うことで、都市は連続殺人鬼の切り裂き魔に怯え始め、二人は戦いに巻き込まれていく。
終始、楽しみながら読めました。世界観が魅力的なのもそうですが、そこで展開される物語の描き方が上手いので引き込まれる。登場人物にしても、それぞれが埋もれることがないのも流石。
レキュリィの宴。
フォグは自らの出自と向き合うことになるわけだけれど、レキュリィの底知れなさや暗躍しているのだろうことを考えると、これからどうなるのか楽しみで仕方ない。
今のところは表立ってやりあっているわけではないにしても、これからどうなるのかは分からないのだ。そう考えると、老執事の存在は際立っていたし、物語に与える影響が面白い。
老執事は騎士としてフォグよりも強いのだけれど、彼の立ち位置はそのまま今のフォグの立ち位置と重なり、剣を交えることで何かを伝えようとする姿は格好良かった。この一連の流れからフォグが成長している流れも想像できて、これからが気になる。
また、物語の繋がりが見えてくるのも魅力。一巻を読んで二巻があり、続いていく。当たり前ではあるのかもしれないが、その当たり前がしっかり出来ているので、物語に自然と引き込まれる。
黒いところは黒くダークに。狂乱して反転していくイパーシと、それに同じく狂気で手助けするキリエ。悪意に悪意が混ざりあって生まれるのは、強烈な善意。トリエラと出合ったときのイパーシがそれを物語っている気がした。ここで二人の背景にも触れられているのが切ない。
面白かった。続きも期待してます。
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- 作者: 藤原祐,kaya8
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- 発売日: 2011/01/06
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