マージナルワールド (講談社BOX) [感想]
第4回 講談社BOX新人賞 Powers受賞作
自分の携帯で、その携帯の番号に電話をかけると行ける異世界――圏内。大学生の光宮は現実世界と圏内を行き来しながら、アガシオンと呼ばれる巨大ロボットに乗り込みBAGsと戦う。
煽り文句にあるように、異世界ロボットな雰囲気と中二病的な側面はあるのだけれど、そこが深く描かれているというよりは、中心に据えつつも外枠を覆っている印象を受けた。
あくまで語りたいところは別にあり、入口としてそれがある。そういう意味ではとても読みやすいですし、異世界ロボットにしても設定など好感が持てたので作品に引き込まれた。
物語も主人公である光宮が圏内にいる時間と、現実にいる時間が同じくらいの割合で描かれており(むしろ、現実世界の方が多かっただろうか)、現実世界のことを大切に描いてくれていたので、作品を受け入れやすかった。
現実をぶっ飛ばせ、幻想もぶっ飛ばせ。
そしてまた帰ってこよう。目の前にあるものにまずは向き合ってみよう。それぞれ作品を読んで感じることは違うと思うのだけれど、粗はあるが、読後感は爽快感にあふれていて気持ちいい。青春小説の形をしているのも良かった。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 湊利記,村崎久都
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/01/06
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 174回
- この商品を含むブログ (6件) を見る