Infinity recollection

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シロクロネクロ (電撃文庫) [感想]

シロクロネクロ (電撃文庫)

 

第17回電撃小説大賞 大賞受賞作

 

主人公の高校生はある事件で死んでしまったのだが、クラスメイトの高峰雪路の秘術でゾンビとして復活する。高峰はネクロマンサーで、死者の書ネクロノミコンを所持しているということから、クロネクロというネクロマンサーの集団に狙われていた。主人公はこの戦いに巻き込まれていく。

 

凄く読みやすい。スラスラと読めてしまう分かりやすい文章をしているので、300項ほどの厚さを全く感じさせない読み応え。そういう意味で、上手い作品。

 

――けれども、作品としては可もなく不可もなく。

 

軽快にコミカルさを描いているところだったり、バトルだったり、ラブコメだったり、全てがバランスを取れているのだけれど、突き抜けるものがない様に感じた。平均点をバランスよく取っている印象。

 

主人公のエロさ、という部分では突き抜けていて清清しいけれど、自分は好印象を懐けなかった。設定として、ゾンビは欲望があるから現世に生き残っていられるので、欲望がなくなると再度死んでしまう。主人公の場合はこの欲望が性欲で、つねに悶々とした日々を送ることになるのだが、そのはっちゃけ具合が好きにはなれなかった。

 

バランスはいいですし、文章が読みやすいという時点で完成度は高いのだろうけれども、それが最高に面白い作品になるのかと言われると別問題。

 

終盤にて高峰と主人公の関係が明らかになるわけだけれど、そこは凄く良かったので、あの辺りをもう少し膨らませてくれたらなと。終盤の盛り上がりに比べて、あっさりと終ってしまったので物足りなさを感じた。

 

しかしながら、次は面白くなる予感をさせる作品でもある。細かいところで、次どうなるかと読み手を想像させるので、その想像とマッチしてくれば自ずと楽しめる。

 

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シロクロネクロ (電撃文庫)

シロクロネクロ (電撃文庫)