火の国、風の国物語5 王女勇躍(富士見ファンタジア文庫) [感想]
戦いを終わらせる為に、クラウディアとアレスが何をするのか。
今まさに戦闘が行われている場所を単身突破する様は熱かった。しかも、アレスは背にクラウディアを庇いながらであるから凄まじいですし、切れ者であるはずのジェレイドに対しての口上は格好良かった。
ジェレイドもクラウディアとの会談を有利に進めようとしたところでそれですし、会談にしても主導権は何故かクラウディアが持っている。王女の強さが見えた。
中盤まではクラウディアとアレスの回想が描かれていくわけだけれど、これを描いていたのでクラウディアの存在が際立っていた。
今でも子供なクラウディアなのだけれど、考え方はしっかりしている。そんな彼女のさらに子供の時代、やはり考え方はしっかりしていて、でも今よりは少し弱さも見えて。
アレスと出会ったことで変わっていくクラウディアと、彼女にアレスも影響されていて。読み手としてもアレスがクラウディアを信頼していることに納得できた。
また、幼い頃が描かれていることで、今の二人の関係が改めて見えてきたのも良かった。脇役たちも掘り下げられていて、より世界観が好きになれる。
イザーレやフィリップなどはお互いに向いている方向は違うけれど、立ち位置が面白いキャラクターで、物語をふくらませてくれる。
物語が大きく動いたわけではないけれど、ここからジェレイドがどう策を巡らせていくのか、アレスたちの動きはどうするのか、続きが気になる。面白かった。
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- 作者: 師走トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
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