世界平和は一家団欒のあとに〈8〉恋する休日 (電撃文庫) [感想]
面白かった。まさに恋する休日、読み終わったときに満足できる。
柚島さんの誕生日が近いということで、美智乃はこれを機会に軋人と柚島さんの仲が進むように画策する。軋人に誕生日プレゼントを買わせたり、柚島さんを買い物に誘って軋人とデートさせようとするのだが。
柚島さんと軋人の関係に悶えてしまった。
何なのだろうこの二人。お互いに隣にいるのが当たり前になってきているのに、改めてデートを意識してしまうと途端に照れてしまう。常日頃が素直になれない二人なので、相手のことを考えると何だか落ち着かない。
恋愛にわざと向き合わないようにしているのだけれど、本当は真っ向から恋愛してみたい。けれども不安。相手も自分のことを好きだろうことは伝わってくるけれど、伝わってくるだけで確信ではない。
そんな二人の近すぎて遠い距離感に、読み手までドギマギしてしまう。
また、柚島さんが可愛らしすぎて、卒倒しそうになりました。不意に見せる柚島さんの遠慮がちな仕草、台詞が可愛らしすぎる。
物語は煉次が事件を持ってくるわけだけれど、その行動から見えてくるものがまた良かった。
美智乃が今頼りにしている人は軋人だけれど、その軋人はいつまでも美智乃を守っていられない。美智乃と同じ回復魔法を持った柚島さんを守っていくことになるだろう。こうなると美智乃を守る人はがいなくなってしまう。
兄妹という壁の頼もしさと高さがあって、煉次もそこに過去を見ている。登場するキャラクターの対比で思わず切なくなってしまった。それと同じくらいに温かい気持ちにもなった。
面白かった。続きも絶対に読む。
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- 作者: 橋本和也,さめだ小判
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
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