憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ (角川スニーカー文庫) [感想]
第9回スニーカー大賞 奨励賞受賞作
退院した主人公が、久しぶりに学校へ行くと見知らぬ女生徒が自分のクラスにいた。転校生かと思いクラスメイトに訊ねるが、始めからクラスにいたという。彼女は何者なのか。
丁寧に物語を描いていて読みやすかった。登場人物には突き抜けた個性はないし、物語も世界観もどこか淡々としているのだけれど、静かに読めるのは作品の良さ。
運命と戦おうとする少女。
ヒロインは実のところ未来人。ある事情から未来からやってきて、予め教えられた運命の通りに人生を生きることを強制させられている。それが嫌になって、何とか抵抗を試みる、というのが大きな枠なのだろう。
一巻では、彼女と関係する人物なども登場するのだが、やや説明に使ったという印象が強くなくもない。主人公とヒロインがどうなっていくのか、青春は描かれているけれど、今後に期待させるところが大きい。
彼と彼女が一緒に運命と戦っていくのが想像できるのは良い。そこが想像できるから次を安心して読めそうな気がしてくる。
個人的には楽しんで読めたけれど、突飛なことをやる作品ではない。
Presented by Minai.
憐 Ren 刻のナイフと空色のミライ (角川スニーカー文庫)
- 作者: 水口敬文,シギサワカヤ
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2004/10/29
- メディア: 文庫
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