カフェとオレの先輩 (MF文庫J) [感想]
財閥の御曹司、容姿端麗、学業優秀、スポーツ万能の完璧超人である主人公の楠木洋平。しかし、楠木には友達がいない。そこで、人徳を身につけるためにアルバイトをすることになるのだが。
日本一の後輩になる。
今まで上下関係に疎かった楠木が、先輩と後輩という関係性を体験していくことで成長していく。上流階級で育った楠木なので、基本的に常識がないのだけれど、そこが面白さ。
序盤では、楠木のキャラクターに嫌悪感を懐くのだけれど、物語が進むにつれてそれが緩和されるし、様々なタイプの先輩と接することで変化していくので大きくは気にならなかった。
コミカルに漫才、コント。
物語はアルバイトをする一週間を描いているのだけれど、カフェでの仕事を描いていく上で、そこが漫才のようにテンポよく進む。店員と客のやり取りを真似するところなどはまさにそうだ。会話劇で笑いを誘う。
あとがきでもあったけれど、作品がやりたい事は何となく分かった。しかし、それがそのまま面白いかと言われると疑問が残る。笑いのセンスは嫌いではないし、文章はとても読みやすいけれど、印象に残らない。
何をやっているのかよく分からなかった。シチュエーションを楽しむことは分かるのだが、全体的に細切れの印象になってしまって繋がりが上手く見えてこなかった。
楽しめた部分もあるが、今回は波長が合わなかった。
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- 作者: 樋口司,京極しん
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