メグとセロン VI 第四上級学校な日 (電撃文庫) [感想]
オリエンテーリングで1位を目指す。
いつもの事件を解決する流れではなく、普段のメグとセロンの生活を描いている。写真部の本来のあるべき姿とでもいうべきなのか、健全に部活をしていた。
オリエンテーリングで部活同士が競い合うのだけれど、その中で出題される問題にニヤけてしまった。これまでのシリーズを読んでいるからこそ分かるファンサービス。
2チームに分かれて競技は行なわれたのだけれど、ラリー組とジェニー組の視点が切り替わる形で物語りは進む。ラリー組は1位になれと厳命されているのでラリーを筆頭に本気、メグとセロンはそれについていく二人の関係が中盤以降で影響が出るのも面白い。
方やジェニー組は、のんびり進む。ジェニーがナタリアとニックの秘密を暴くというからこの組み合わせなのだが、うっかり自爆して自分の秘密を喋ってしまうジェニーが面白い。そこからは何だが、ジェニーの思い出話になっていた。
中盤からは短期留学生の視点から描かれていくのだが、この視点が見事に読み手の視点と重なって、ロクシェに旅行に来た気分を味わえた。こんな機会でもないと観光するスポットは紹介されないし、行かないだろうから十分に楽しめた。
それに終盤、この短期留学生が物語に大きな意味を持ってくるもの面白い。これまでどのようにシリーズが繋がっていくのだろうと期待してきたけれど、なるほど面白い繋げ方だった。何より次が待ち遠しくて仕方ない。
面白かった。次も期待して待ちたい。
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- 作者: 時雨沢恵一,黒星紅白
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