氷結鏡界のエデン6 水晶世界 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
巫女第3位ヴィオラと、その千年獅ホルンが登場。
これまで話には出ていたけれど、実際の人物が登場することはなかった第3位の巫女とその千年獅。今回はこの姉妹の立ち位置を描きつつ、ホルンとユミィの意外な確執が明らかになっていく。
ユミィは洗礼の巫女として自分の不甲斐なさから、無理な特訓をして自分を追い詰めてしまうが、それは傷ついた人を助けたいという思いから。ホルンはそんなユミィに、洗礼の巫女のくせに力がないと強く当たってしまう。
本来はユミィもホルンも助けたいという強い思いから動いているだけなのだけれど、それ故にぶつかり合ってしまう。
物語が進むごとにホルンの考えが変化していくのだが、それが良い。切欠を与えたのはシェルティスの一言からだけれど、ホルンにしても始めからユミィの頑張りは理解していて、それを認めることが出来ずにいただけ。
彼女を頑なにさせていた氷が溶けたので、これから候補生や錬護士や巫女、ユミィとの関係がどうなっていくのか気になる。
そしてユミィの成長が目に見えたのも良かった。シェルティスの苦労や成長の部分は描かれてきたし、読む分にも分かりやすいのだけれど、今回はユミィにより視点を当てていた。これまでもユミィ視点はあったけれど、ホルンとの対比があるだけにそれが強く出ていた。
また、意味深なことが多い巻でもあった。二つのコードに纏わる新たな展開、シェルティスのことを指している意地の悪い手紙、料理長の謎、そしてユミィとシェルティス。
これからどうなっていくのか目が離せない。面白かった。
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- 作者: 細音啓,カスカベアキラ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/09/07
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