ウィザーズ・ブレイン〈7〉天の回廊〈下〉 (電撃文庫) [感想]
北極での終着点とは。
あとがきでもあるように、誰かが戦うわけではないし派手な場面があるわけではない。ウィッテンとアリス、過去の話が下巻を贅沢に使って描かれる。それが良い。
一見して退屈するのではないかという印象を持つかもしれないが、全くそんなことはない。今まで謎だった部分が解き明かされる、未来の出来事に繋がるという面白さも確かにあるが、物事はもっと単純に。
少年と少女を中心に描かれていく物語が魅力だった。
いつの間にか、もしくは最初から恋していた二人だけれど、その関係はいつまでも判然とせず、まるで横滑りしたようにお互いがお互いを大切に思っていることは確かでも、前には進めなかった。
二人の約束、やっと前に進めた。アリスの為にと頑張るウィッテンと私の為に頑張ってくれているというアリス。次第に溝ができていく。二人はただ一緒に暮らしたかっただけなのだけれど、それが出来なくて。
それら全てに切なくなった。
また、この下巻にきてもパズルのピースがはまる速度には衰えがないことに驚きであるし、気になっていた部分が解消されていくのは爽快感の塊で気持ち良い。素晴しいの一言。
魔法士の根底を覆す新事実も発覚して、真昼もまだ秘密を抱えている。上中下合わせて大満足の7巻でした。面白かった。
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- 作者: 三枝零一,純珪一
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: 文庫
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