変愛サイケデリック (電撃文庫) [感想]
間宮夏生さんの新作。
変わった愛情を持った者が集まる「変恋部」。部長である彩家亭理子は、近寄りがたい雰囲気を持つ神宇知悠仁と偶然出会う。理子に、死にたくなくなる季節がないかと問う彼。変な青春が始まる。
恋愛物語なのかは分からないけれど、登場人物たちは各々に学生らしくもがいて苦しんでいて、それは青春物語。
死にたがりの宇宙人こと神宇知は、春になると自殺未遂を繰り返しており、そんな彼に興味を持ったのが学校では変人扱いの理子。始めは理子からの一方的な興味で、読み進めていくと、神宇知が自殺未遂をする理由が明らかになっていくという構成。
終盤の展開は強烈。
頭を殴られる勢いで、話が一気に解決していくのは凄い。伊庵がそうだということは何となく分かったけれど、閻魔様は最後まで判断つかなかったし、加えてそれとは思わなかった。それに、優衣はそっちなのか、と怒涛の勢い。
変恋がどういうことなのか、最後まで読むと確かに変だよねと納得してしまう。それぞれが抱える悩みが一応は解決してしまうというか、現状維持というか。
終始、カウンセリングやら悩みを解決するわけではないと押し通していた理子。変わった愛情をどこにもっていけばいいのか分からなかった人たちが、少しは生きやすい世界になったのかな。
ストレンジサイケデリコさんの講義、楽しめました。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 間宮夏生,白味噌
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/04/08
- メディア: 文庫
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