魔弾の王と戦姫〈ヴァナディース〉 (MF文庫J) [感想]
川口士さんの新作。
安心の王道ファンタジー。主人公は凄腕の弓使いだけれど、王国で弓兵というと臆病者の象徴。その活躍は期待されていないし、活躍したとしても評価されない。そんな主人公が敵に捕まったことで、物語の流れが決まる。
弓の腕を認められた。
物語は軍隊での戦争が描かれていくので、そこに戦略があるのが魅力。弓兵が軽んじられているので、弓兵の活躍に兵士たちは素直に驚くし、これから弓兵の印象が変化していくことを想像するのが熱い。
読み始めは王国の中から弓兵として力を認められていくのかと考えていたのだけれど、敵国で力を認められたので、外から全ての国に向けて弓兵の強さを認めさせることをついつい期待してしまうのだ。
一騎当千な部分として戦姫が持つ剣の異能などもあるので、最強と戦略をバランス良く配置しているのは上手い。また、MF文庫Jさんらしさのラブコメも散りばめられているのは真面目になり過ぎないコミカルさがあり、軽く読める。
そして主人公に好感が持てたことが大きい。潔く性格の爽やかさ加減が読んでいて気持ちが良い。ラブコメがなくなると明るさは減るかもしれないけれど、それが無くてもいいかなと思わせてくれる。格好良い。
物語はまだ序章なので主人公が捕虜になったことが大半を占めているのだけれど、次で客将として迎えられたりしたら更に面白い。そういう意味では丁寧に描いている。
面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 川口士,よし☆ヲ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/04/25
- メディア: 文庫
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