さくら荘のペットな彼女〈5〉 (電撃文庫) [感想]
卒業を間近に控えて、それぞれの夢へ向って一生懸命な冬休み。物語は空太を中心とするところまで来ているので、終わりが近いことを予感させます。
今回、印象に残ったのは宮原がやはり良いやつということ。七海が事務所の選考に間に合わないという連絡を受けた空太は、宮原の自転車を貸してもらうのだが、そのやり取りが青春でした。
宮原が好青年というのは分かっていたけれど、七海のためだとしても恋敵に自転車を貸してやる。まして、体力が持たないだろうからと坂の上まで二人乗りで送ってやったり、七海が助けを求めたのはお前だからと恋敵を叱咤する姿は素直に格好良いと思える。
空太はましろを選ぶのか七海を選ぶのか、卒業式まで時間がない。
また、仁と美咲も魅せてくれた。大阪の大学を受験すると決めてしまった仁へ、空太が自分の思いをぶつける。これまでも何度かあった気がするが、仁が折れるというか。考えは変わらずとも己の気持ちを美咲へとぶつけられたのは胸がスッとした。
次は短編集ということだけれど、この調子で終わりまで駆け抜けて欲しい。面白かった。
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