Infinity recollection

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カナクのキセキ2 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

カナクのキセキ2 (富士見ファンタジア文庫)

 

あの終わり方からどのように2巻に続くのか、続けられるのか予想できなかった。――そう来たか。見事にしてやられた。1巻でも感じた時間を飛び越える雰囲気が上手く表現されていて、思わず1巻を読み返したくなる。

 

物語は5年後、マール村にて神官として暮らしながらユーリエを想い続けるカナクを描いている。ここにはいないユーリエのことを考えてしまうカナク。そんなカナクに想いを寄せるダークエルフのネウ。何故だか護衛として村にやってきた盗賊。

 

――と同時に、世界を守る“影砲士”スフィアと、その影砲士に嫁入りすることになったレベッカの恋物語も平行して描かれる。どういうことなのか予想がつかない物語の進み方だけれど、気付けばお話に飲み込まれたように読んでいた。

 

辺境地に行くことになり最初は嫌がるレベッカだけれど、そこへたどり着く頃には立派なお嫁さんになろうという決意が固まる、その辺りとてもしっかりしている女性。夫となる“影砲士”スフィアと出会ってからもそれは変わらず、支え合っていきたいという彼女の心が見える。

 

そしてレベッカの潜在能力は計り知れない。並の兵士より腕っ節が強く、頭の回転が速く、家事全般が得意、感が鋭い、お嫁さんとして最強すぎますレベッカ。

 

シャイなスフィアとしっかり者のレベッカ。二人の相性は見ていて羨ましい、素敵。

 

この二人の恋物語がどのような決着を迎えるのか。そして平行して進む二つのお話の関係性とはどういうことなのか。言い過ぎると話が分かってしまうので、是非とも読んでもらいたい。

 

一つ言えるとすれば、この作品は「面白い」ということだけだ。

 

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