9S(ナインエス) III 〈3〉 (電撃文庫) [感想]
上下巻構成の上巻。
終盤まで読んでから上巻ということに気付いたのだけれど、そこまで一気に読み進めてしまった。文章が上手いので作品の中に入り込んでしまう。
映画を観ているみたいだと一巻の感想に書いた気がするけれど、今回はまさにそれで、闘真の視点であったり、由宇の視点であったりで客観的に物語を観ていく。
当たり前なのだけれど、この作品は直ぐに文章が映像に置き換わる。それもごく自然に、気持ち良いくらいに。
物語の方はどこが見せ場というよりも、全てが見せ場だった。入り込んでいるので、どこが凄いとかではなく全体で凄い。そんな中でも、由宇の周囲が変化しつつあるのは興味深い。
これまで何かと不自由な身であった由宇だけれど、今回は初めて拘束具やら毒薬という制約が無しで外に飛び出している。非常事態であるというのもあるし、最終的には戻されてしまうだろうけれど、それでも彼女が手に入れたつかの間の自由には変わらなくて。
これから闘真と由宇がどのように出会うのか。そこら辺に注目しつつ続きも読んでいきたい。面白かった。
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