Infinity recollection

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アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈2〉 (電撃文庫) [感想]

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト)〈2〉 (電撃文庫)

 

理系ファンタジー。

 

物語は数学の集合と人間関係をテーマにして語られているのだけれど、数学を知らなくても言葉から状況を直感的に捉えられるようになっているのは優しい。何となく察せる範囲の数学を使っているのも考えられているのかしら。

 

学校、会社、家族、友達。人は常に人間関係に縛られて生きているのだけれど、縛られていると考えてしまうのは悲しいことだ。災厄の数はそこに囚われてしまったことで、本当に大切なことを忘れてしまっていた。自分が望んでいたことはなんだったのか。

 

集合の力は絶大です。取り込んだ人間の関係性を奪うことが出来るので、影響力の強い人物を取り込めば取り込むほどに手下が増える。加えてエネルギーも取り込んでしまうので攻撃を受けない。成長段階だったから良かったものの、成熟し切っていたらどうなっていたことか。

 

そんな成長、成熟も今回のオチと災厄の数の立ち位置と相まって考えさせられますね。上手い。

 

明津はやはり良い奴だった。彼が犯人だろうと疑われながら物語は進むのだけれど、序盤は人間が見えないだけに単に嫌な奴、それが中盤に行けば彼の秘密が明らかになるので印象が変わる。

 

誠一との殴り合いも良かったけれども、誠一の言葉を明津は受け止めていたのが良い奴だと感じさせる。東京内戦で傷を負っているのに、誠一の言っていることを素直に納得したというのは器が大きいなと。自分の意思で強さを求めただけのことはある。

 

明津がクラスメイトの前で叫ぶのは格好良かった。

 

面白かった。明津も加わったので、これからどうなるのか楽しみ。

 

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