赤鬼はもう泣かない (ガガガ文庫) [感想]
第5回小学館ライトノベル大賞 審査員特別賞受賞作
女子の二の腕おいしかったです。西遺大豪はクラスの女子の二の腕を舐めるという奇行から、あれよあれよという間に田舎の中学校に転校することになる。しかし、今度は新しい学校で隣の席になった喪庭ここめに、初対面でゆびちゅぱされるちう奇行を披露されてしまう。
特殊な生徒たちが集められた学校で繰り広げられる少し変な青春。
ルールなんて知らない。大人なんて知らない。ここめを大切に思う大豪を描いていたのは良かった。少年と少女が出会えば、何かが起こる。二人の心が繋がっていく過程は楽しめる。
バランスが惜しい作品。
作品の描きたかったことは良く分かるのだけれど、様々な部分で惜しかった。主人公の大豪などは終始つかみどころが無く、読み手が期待していた反応をしてくれないので肩透かしをくらった気分になってしまうのは残念。疑問を抱かない、驚かない。
また、登場人物たちも妖怪云々とい言っている割には妖怪らしいイベントが起こらない。何となくクライマックスを向えて読み終えたみたいな印象を受けてしまって、もっと葛藤やらの心理描写が欲しかった。
作品が持っているテーマやキャラクターは面白いと思うし好きなのだけれど、いまいち乗り切らない。しかしながらガガガ文庫だな、と思わせる作品には仕上がっているので、次の作品に期待、というところだろうか。
Presented by Minai.
- 作者: 明坂つづり,白身魚
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2011/06/17
- メディア: 文庫
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