Infinity recollection

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獅子は働かず 聖女は赤く あいつ、真昼間から寝ておる (集英社スーパーダッシュ文庫) [感想]

獅子は働かず 聖女は赤く あいつ、真昼間から寝ておる (獅子は働かず 聖女は赤くシリーズ) (集英社スーパーダッシュ文庫)

 

駄目な子。

 

世界観がファンタジーなのにニート生活をおくっているという設定は珍しかった。主人公のユリウスは働かず勉強もせずという無職。毎日家に篭っては家事をするわけでもなく酒を飲み、ゴロゴロと怠惰な生活を続けています。

 

そんなユリウスと一緒に生活しているのが、妹のような少女サロメ。正確にはユリウスよりも年上で、口調もそれらしいのだけれど、このサロメが可愛い。生活するために健気に働く姿もそうだが、言葉巧みにユリウスに騙されてしまうのが良い。

 

ユリウスは屁理屈だけは上手いので、何かにつけては論点を摩り替えてやり過ごそうとします。そこに見事に嵌ってしまうサロメ。最後は逆にサロメが謝る展開に。

 

そんな一連のコミカルさが面白かったし好きだ。

 

加えて、世界観も魅力的。昔というほど昔ではない過去に大きな戦争があり、戦後である今もそれを引きずっているのだが、そこに登場する魔女だったり竜、教会の存在など興味を惹かれる単語が数多く詰まっている。

 

今を描きながらも、過去に一体何があったのか期待させる書き方をしているのは上手いですし、そこにユリウスやサロメが関わっていることも示唆されるので引き込まれる。戦いも格好良い。

 

面白かった。続きも気になる。

 

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