Infinity recollection

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機巧少女は傷つかない6 Facing Crimson Red (MF文庫J) [感想]

機巧少女は傷つかない 6 Facing “Crimson Red” (MF文庫J)

 

紅翼陣を体得するため修行に励む雷真だったが、思うように捗らない。そんな時、硝子から前回夜会を勝ち抜いた魔王であるグリゼルダ・ウェストンを調べるように命じられる。夜々に代わって、小紫と共にグリゼルダの元を訪れるが――。

 

夏休みなので夜会もお休みなのだけれど、怪我しているはずの雷真は治療をするわけでもなく、またもや暴れます。強くなる修行のためとは言え、それで怪我を重ねていたら意味がないと思うのだが……。一直線の熱さこそ雷真か。

 

物語は雷真と夜々のぎこちない過去に触れながら、紅翼陣を己のものにするために雷真が成長していく過程を描いているのだけれど、昔があって今があるのを感じさせるのは上手かった。戦闘向きではない小紫に戦いを教えることで、自らも教わっていくという流れも好きになれましたし、現在の状況と過去を対比させていたのも面白い。

 

また、グリゼルダの自動人形であるイプシロンと小紫の関係も美しかった。落ち込んでいる小紫に対して、ポジティブな姿を見せることで糸口を示してくれたイプシロンの明るさがありがたい。

 

――しかし、グリゼルダの弟子となって修行らしくない修行から帰ってきた雷真の強さは異常でした。小紫の能力を引き出すことを覚えた雷真が、夜々の能力を引き出したらどうなるのか。今まで引き出せていなかったのが驚きなわけだけれど、まさに一巻に戻ったようだ。

 

雷真をどうやって止めればいいのか分からないし、それを考えていると夜々にやられてしまう。夜会の特性も上手く戦闘スタイルにしていたのは前からだけれど、今の雷真は夜会の特性上、脅威だ。ロキやフレイとの共闘も楽しませてもらった。

 

第二部が開始という雰囲気だろうか。面白かった。

 

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