Infinity recollection

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ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫) [感想]

ショートストーリーズ 3分間のボーイ・ミーツ・ガール (ファミ通文庫)

 

3分間をテーマにした短編集。

 

19人の作家たちがそれぞれ描く青春模様が良かった。それぞれが短編なので気軽に読めてしまうのも魅力です。そんな作品群の中から、気になったものをピックアップ。

 

「七年前のマリッジリング」本多誠

主人公の前にウェディングドレスを着た女の人が現れたと思ったら、唐突に指輪を交換して、キスまで奪われる。相手は自分のことを知っているようだが、主人公は女の人に心当たりはない。戸惑う主人公を見るのが面白い

 

タイムトラベルがちょっぴり複雑に絡み合っていく物語が面白かった。オチは読めているのだけれど、主人公が必死に頑張っている姿を温かく見守ってしまう。7年後の一言は爽やかだった。

 

「5400万キロメートル彼方のツグミ庄司卓

こういうSFは好きです。主人公が開発したAIが自我を持ったかもしれない。宇宙にいるAIツグミに話しかける主人公、その会話がツグミに届くまでが3分間。最初は地球のことなどに興味を持っていたツグミが、徐々に主人公のことを知りたがる流れが良い。

 

二人が親密になればなるほど、ツグミの電池残量は少なくなっていき、最後のときは訪れる。宇宙になど興味が無かった主人公がツグミを助けるために宇宙を目指す。オチも綺麗でした。

 

「彼女の関する傾向と対策」田尾典丈

捉え方が面白い。主人公が好きだったヒロインに告白するのだけれど、ヒロインはキミを面接して彼氏にするか決めたいと言い出す。実際に面接のように、ヒロインの恋人を志望した理由だとか、彼氏にしたらヒロインにはどんなメリットがあるのかなどを聞く。

 

言葉の切り返しが楽しめました。オチも良かったですし、ページ数が少ないのに強烈な印象を読み手に与えてくれました。

 

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