ソードアート・オンライン〈1〉アインクラッド (電撃文庫) [感想]
仮想世界に意識をダイブさせ、リアルな感覚を味わうことが出来るMMORPG「ソードアート・オンライン」。次世代のゲームとして注目されたのだが、ゲームは一度ログインするとログアウト出来ず、仮想での死は現実での死を意味するデスゲームだった。
現実に戻る方法は一つ、ゲームをクリアすること――。
物語は主人公のキリトの視点で語られ、最強ギルドの副団長アスナを巻き込んで進むのだが、何といっても話のバランスが絶妙だった。登場人物には自然と好感を抱けるし、MMORPGがしっかり練りこまれているので読んでいて気持ちが良い。
上手いなと感じたのは物語が早々に2年後になること。RPGには必須なレベル上げが飛ばされているので、退屈する暇を与えないし、何よりも無駄な場面がない。ギリギリまで詰め込んで出来上がっている物語であることを読んで実感させられた。
それは戦闘然り、恋愛模様然り、人々の生活然り。ゲームで仮想世界だけれど、そこにいる人間は間違いなく生きている。生活のにおいを感じられるし、森に泉、城に町、この目で見たくなる。素直にソードアート・オンラインというゲームがあったら遊んでみたいと思わせる魅力があった。
ゲーム内で死んだら、現実でも死んでしまうという過酷な状況にあっても、明るさは失わない登場人物たち。二年前は現実を受け入れることが出来ないでいた人たちも、二年で仮想世界に順応している。辛いけれど、楽しいこともある。そんな差をしっかり入れてくる著者は流石。
王道に忠実で、読めば爽快。
キリトが格好良い、アスナが可愛い、脇役の人良いキャラしてる、ここでこういう展開が読みたいという読者の希望を叶える王道の作りをしているので、誰が読んでも面白いのではないだろうか。しかもそれが自然の流れで書かれているのだから凄い。
世界観が魅力的で、キャラクターが魅力的で、展開まで期待通りだったら面白くないわけがない。楽しませてもらいました。
Presented by Minai.
ソードアート・オンライン 文庫 1-11巻セット (電撃文庫)
- 作者: 川原礫
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2012/12/08
- メディア: 文庫
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