火の国、風の国物語10 英雄再起 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
英雄再起。
パンドラがいなくなったことで自信をなくし、全てがどうでもよくなったアレスは奴隷の身分にまで落ちぶれていた。挫折したアレスがもう一度立ち上がる話となっていて、タイトル通りの内容。
自分には力がない。今まではパンドラがいたから戦えたしここまでこれた。そう考えるアレスにガルムスやレオンを始めとした仲間達が次々と言葉をかけていく展開は熱かった。と同時に長かった。
皆がアレスが戻ってくることを願っているし、戻ってくると信じている。それだけ期待している。けれども、考えてみればアレスは二十歳にもなっていないわけで、挫折や思い悩むことだってあるはず。
勝手に期待して今までのアレスではないから駄目、アレスはそんな人間ではない、だらしないと決め付けるのは身勝手だ。そんなガルムスの台詞が格好良い。ガルムスはそれを分かってアレスに接していて、戻って来いとは言わない。
仲間に支えられて、自分一人では無い。ましてや仲間がいれば、何とかなる。アレスの考えが前向きに変化していく様が印象深かった。何かを守るということは大変だけれど、義務を抜きにして純粋に助ける。助けたい。
否応なしにクライマックスが近付いていることを予感させます。面白かった。
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火の国、風の国物語10 英雄再起 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 師走 トオル,光崎瑠衣
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/07/17
- メディア: 文庫
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