魔法科高校の劣等生 2 入学編 下 (電撃文庫) [感想]
まず、冒頭で通貨の話をさせて欲しいのだけれど。デノミネーションを行なっているので通貨価値は百年前と変わらない、というような記述があるが、それを読んで著者は本当に未来を想定して書いているのだなと言うことが窺えてよかった。
百年も経てばそれなりにインフレしているのが当たり前みたいなものです。他にも買い物の概念が変化しているというのもそれらしい。一巻では画期的な移動手段が導入されているわけですから、そうなっていておかしくない。
ちょっとした世界観、背景を描くのが丁寧。だから作品に引きこまれますね。
――さて、物語ですが達也のブラコンと深雪のシスコンに磨きがかかっていてニヤニヤでした。常に一歩引いて兄を献身的過ぎるほどに支える深雪に、周りは達也を羨ましがるというより引いてさえいる。それに気付かず、当たり前とばかりに兄にべったり。
そんな兄の達也はスペックが本当に高いですね。言動からモテる男のオーラが出ているし、イケメンですし、ましてや最強。達也も達也だけれど、女性に対して紳士すぎるので、だれかれ構わず博愛して好感度を上げていくものだから、深雪は気が気ではない。二人の雰囲気や距離感がやはり魅力に映る。
しかしながら、今回の話で登場したテロリストを簡単にやっつけてしまったのには物足りなさを感じた。達也は頭も良くて、能力も反則的に強いので、全てが達也の手のひらの上の出来事でしかない。それこそ当然とばかりに、何の危なげもなく解決してしまうので、あっさり過ぎる印象を受けてしまった。
敵が弱すぎたからだと思われるので、もう少し達也の強さと渡り合えるキャラクターが欲しい。次は何やら魔法科高校同士でのバトル大会が開かれるようなので、期待しています。
面白かった。
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- 作者: 佐島勤,石田可奈
- 発売日: 2011
- メディア: 文庫
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