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ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫) [感想]

ソードアート・オンライン〈8〉アーリー・アンド・レイト (電撃文庫)

 

短編集。

 

これまでの物語を補完するように、作中でもたびたび語られていた「圏内事件」、伝説の聖剣《エクスキャリバー》を獲得するまでを描く「キャリバー」、SAOデスゲーム最初の数日間を描く「はじまりの日」の三編で構成される物語となっている。

 

シノンさんかっけぇー。

 

伝説の聖剣《エクスキャリバー》を真っ先に発見したキリトだったけれど、その剣があるダンジョンの難易度にもっとレベルを上げてから……と後回しにしていたら、伝説の聖剣《エクスキャリバー》の獲得クエストが大々的に発表されてしまう。

 

本格的にダンジョンに挑むことになるのだが、最初は伝説の聖剣《エクスキャリバー》が欲しかっただけなのに、いつの間にやらALOの世界を揺るがす大事件に発展。数時間でダンジョンがクリア出来なければ、ALOが崩壊するかもしれないという危機に。

 

邪神に対してシステム外スキルを行使するキリトは流石でした。二刀流は使えなくなってしまったけれど、似たようなことをしてしまうのだから凄い。ごり押しにも程があるが、片割れのミノタウロスは災難。最後は敵が可愛らしくすら映りました。

 

――そして、重要なのはシノンでしょう。彼女もいい加減におかしい。キリトと同じようにシステム外スキルとでも言わんばかりの腕前と勘の良さをお持ちです。その活躍には、思わずかっけぇーと言わざるを得ない。

 

「圏内事件」はその性質上、不気味な雰囲気が漂う中で物語が進行していくのだけれど、事件とは別にアスナと仲良くなっていくキリトが面白かった。始めは素っ気無いアスナがキリトを意識し始めていることが分かりますし、キリトも距離を測りかねているのが分かる。顔を赤くするアスナが可愛らしい。

 

安全区域でPKされるという物騒な事件を追っているからこそ、世界に生きているのだなと感じ取れた。ヒースクリフに相談したときも、ラーメンらしきものを食べるわけだけれど、ああいった食べ物や食事どころ、街の雰囲気などから生きているニオイがする。

 

「はじまりの日」はβテストをプレイした知識から、いち早く次の街へ行って武器を手に入れようとするキリトを描く。同じくβテストのプレイヤーと二人でクエストを完遂することになるのだが……。これはキリトが現実を意識した瞬間かもしれません。

 

これがあったのによく後々PTに加わる気になれたなと。それだけあのPTの居心地が良かったということなのかもしれません。そういう意味でも、感慨深いお話でした。

 

面白かった。

 

 Presented by Minai.