フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生? (富士見ファンタジア文庫) [感想]
短編集、懐かしい。相変わらず上手いですし、読みやすい。笑い話から切ない話までバランスよく配置されております。
与太者のルール(前)(後)
サバゲー同好会を作りたい者たちと、宗介がサバゲーで戦うことに。サバゲーに対して知識のない宗介は、とりあえずエアガンを購入してみるのだが、その威力に思わず「危ないではないか」という台詞が飛び出す。ショップの店員さんとのやり取りがこれまた楽しい。
トラップ系を封じられた宗介ではあったが、サバゲーしてみれば戦力差は圧倒的。やはり宗介はエリート兵でした。宗介とかなめのやり取りを感慨深く読みつつ、かなめが考えたコールサインがフルーツだったりする部分で、そのノリを懐かしみながら楽しませてもらいました。フルメタ短編集ってこうでした。
ご近所サーベイヤー
千鳥かなめが主人公のお話。いつも明るく毅然としている千鳥かなめだけれど、やはり一人は寂しい。普段のちょっとした瞬間に感じてしまう孤独。ご近所の清掃員のおばさんとの掛け合いが魅力的でした。
つぶらなテルモピュライ
ふもっふ。ボン太くんはそうでしたよね、そういうシュールさが魅力なのです。思わず頭にはテレビシリーズのボン太くんたちが思い出され、動き回るボン太くんたちが映像として想像できてしまうので、シュールさが素晴らしい。
皆本気なんだけれど、旗から見たら「ふもっふ、ふも」しか言ってないだとか、敵であるはずの集団が案外可愛らしいことを言うだとか。お祭り騒ぎのように本気なのが面白い。
テッサの墓参り
全てが終わってから墓参りに行くテッサが描かれる後日談。アナザーに繋がるであろう伏線を想像しつつ楽しませてもらった。
アルとテッサという組み合わせも珍しくて、宗介が手を焼いていたアルが更に成長しているのでテッサも手を焼くことに。過去に触れながら、自分を見つめなおしていくテッサが良い。十年後には普通の生活に戻れていることを願うばかり。
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フルメタル・パニック! マジで危ない九死に一生? (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 賀東招二,四季童子
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 文庫
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