バベル (電撃文庫) [感想]
群像劇。
二つの事件が同時進行的に発生し、それを登場人物たちが追っていく。それぞれにメインとなるキャラクターがおり、彼ら彼女らを中心に物語りは進む。二つの事件は基本的に独立しているので、キャラクターたちがクロスするだけかと思ったら、最後で繋がる。
マフィアに問題児に治安官にお嬢様、登場する奴らに善人はいない。どいつもこいつもちょっとおかしくて個性的。作品に流れるハードボイルドな雰囲気は好きになれた。
ただ、群像劇で展開される事件二つとも、雑さが目立ったように映った。
事件としては面白いのだけれど、詰め込んでいるからなのか真相にたどり着くワクワク感というよりは、事実を目の前に提示されていくように感じてしまった。また、描写が薄いところがあるので、つい読み飛ばしそうになってしまう。
ハードボイルドにしてはあっさりしているので、読みやすいですし物語のテンポも心地良いのだけれど。惜しい。
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- 作者: 中田明,ひと和
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2011/09/10
- メディア: 文庫
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