Infinity recollection

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とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫) [感想]

とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)

 

何度鳥肌が立ったかわからない。

 

レヴァームと天ツ上の戦争が描かれていくのだけれども、開戦したときは優勢だった天ツ上が、戦いが長引くごとに劣勢になっていく。それでもパイロットとして戦闘機に乗り続ける千々石の姿に心打たれた。

 

国の豊かさから、生産能力に開きがある両国。物量で圧倒してくるレヴァームも威圧感といったらない。天ツ上は熟練のパイロットに育成してから戦場に送り出すので、時間がかかるし戦闘機や戦艦だって簡単に作れる財力は無い。

 

国の力で既に負けている。

 

負けているが、天ツ上として、民族の誇りを捨てない奴らの生き様が壮絶。脇役として登場する奴らがどんどん死んでいく。しかも、どいつもが精一杯戦って、ましてや笑顔の奴までいるものだから、空で戦う男たちに感情を揺さぶられまくる。

 

魔犬vs海猫。

 

エース対決だったが、始まって欲しくもあり始まって欲しくなかった。だって、どう考えても先が見えているからだ。仲間たちに恥を晒しても生きろと言いつづけた千々石。限界を超える戦いの先に、何のために戦っているのか、守りたいものがあるのだと叫ぶ二人の姿は格好良い。

 

魂と魂のぶつかり合いに感動した。夜想曲は読み終わって満足できる素晴らしい作品だ。面白かった。

 

 Presented by Minai.

とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)

とある飛空士への夜想曲 下 (ガガガ文庫)