僕は友達が少ない7 (MF文庫J) [感想]
あれ……文化祭やってる。
隣人部として、どんな催し物をやるのか考える小鷹たちだったが、今回はまともに文化祭やれている気がする。いや、いつものように残念には収まっているのだけれど、そこまで残念というわけでもないような。物語が終盤に向って動き出したのを感じます。
肉がおいしい。
というのも星奈を中心に物語が動いているように映った。天馬さんの勘違いから始まり、小鷹と星奈が許婚だったことが公になる。それは過去の話であって、今は関係がないと一蹴する小鷹と星奈。でも、少し残念がる星奈。そんな二人とは対照的に、過去を重視する夜空の立ち位置が面白い。
小鷹と幼馴染だということを強調していく夜空が前面に出ていたこともあるけれど、いつもなら夜空が冷たい視線を送り、星奈が残念になっているだろうところで、逆に星奈に馬鹿にされる夜空の姿があった。終始、空回りしていた印象。
また、文化祭でのマリアと小鳩の対比も興味深い。本来ならマリアも学校に通っている年齢ではあるので、改めて学校での小鳩を見ることで思うところがある。挿絵とも相まって、友達に囲まれる小鳩が輝いていました。
実は一番常識人である理科の言葉が小鷹に刺さる。
物語のターニングポイントだろうか。本当は気付いている。けれど、気付いていることに気付きたくはない。気付くということは変化するということで、今が壊れてしまうかもしれないという恐怖と焦りを抱える小鷹の姿は物悲しく寂しい。終わりへの足音が聞こえた。
随所でいつもと少し雰囲気が違うことを印象付けられたが、著者のことだから何事もなかったかのようにコミカルな残念具合を次巻では読ませてくれるのかもしれない。面白かった。
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- 作者: 平坂読,ブリキ
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2011/09/21
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