Infinity recollection

ライトノベルを中心に感想を載せているサイト。リンク+アンリンクフリー。

火の国、風の国物語12 傑士相求 (富士見ファンタジア文庫) [感想]

火の国、風の国物語12 傑士相求 (富士見ファンタジア文庫)

 

ついにアレスとジェレイド手を組んだ。

 

武力のアレスと、知略のジェレイドが結びついたら他に勝てるものはいない。これまでの出来事で成長をうかがわせるアレスは、悩んだ末に大きな選択をするわけだけれど、そこにジェレイドを巻き込むのだから面白い。

 

考え方が大人になったアレスは頼もしくもあり、厄介です。これからフィリップはそれを大いに味わうことになるでしょう。クラウディアのために突き進む彼を止めることは出来ない。

 

それを現実のものにするかのごとく、僅かな仲間と敵陣に突っ込んでいくアレスの勇猛ぶりには鳥肌が立った。ましてや後ろにいたジェレイドの台詞が台詞なのだから、これはもう笑うしかない。ニヤニヤと鳥肌が止まらない。高揚感がハンパではなかった。

 

未来を見つめる人たち。

 

中盤以降はすっかり参謀役に専念することで、清々しいまでに開放されていたジェレイドが印象的。本来彼は前に出るタイプの人間ではなかったのかもしれないと思わされました。それほどまでにアレスとの関係がしっくりきすぎている。

 

そう考えると、始めは敵同士で反発していた彼らが、こうして仲間になっているわけですから感慨深いものがある。元から波長は合っていたということなのかもしれません。極端すぎて反発していただけなのかも。

 

立派になったアレスの背中がこれからの希望を映す。面白かった。

 

 Presented by Minai.