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魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編〈上〉 (電撃文庫) [感想]

魔法科高校の劣等生〈3〉九校戦編(上) (電撃文庫)

 

全国の魔法科高校が集まり競い合う競技大会、通称「九校戦」。第一高校も当然参加することになるが、遠征メンバーは基本的に一科生で構成される。そんな中に、CADの調整を行う技術スタッフとして唯一、二科生の司波達也も選ばれることに――。

 

面白くなってきた。

 

一巻で世界観やら魔法の大枠を説明されていたので、魔法の原理やらを説明されてもすんなりと理解することが出来た。単純に魔法理論を聞いているのが面白いというのもあるけれど、ここまで楽に読めてしまうと俄然面白くなります。

 

上巻なので戦いが起こるわけではないけれども、スタイリッシュな魔法競技と、学生らしいラブコメ要素、達也の生活と秘密が垣間見られる展開には退屈しない。物語では九校戦で暗躍する組織の存在がほのめかされるが、バトルを読むより達也の日常を読んでいる方がワクワクしてくるのは気のせいだろうか。

 

相変わらすの最強ぶり。

 

遠征メンバーに大抜擢された達也は一科生から良いようには思われないが、それを跳ね返すように見事なCADの調整をしてみせるので読んでいて爽快ですし、事あるごとに実は最強だけれど秘密にしています、という展開が続くので、これを知っているのは一部のキャラクターと読者だけなわけだから、読んでいて変な満足感がある。

 

また、CADを見事に調整してみせる背景には、達也の裏の顔が関係していて、それが二つも三つも出てくるのだから熱い。

 

この背景を知ってしまうと、魔法を解説しまくる達也、友達と接するときの達也、特尉として働く達也と、途端に達也が大人に見えてくる。精神的には間違いなく大人だが、実力まで高校生の枠に収まっていないように映るので、他の登場人物たちがまるで子供のようだ。それに、今回の九校戦もそうだが、高校生という枠に収まらなければいけない限り、達也は本来の力に制限がかかるのだなと。いや、どれだけ最強やねん、と思わず似非関西弁を使いたくなる。

 

深雪の反応が面白い。

 

達也とラブラブしている赤い顔は可愛らしいですし、達也をバカにされたときの深雪は怖い。親とのやり取りは悲しかったですし、達也の技術や遠征メンバーに選ばれたことを誇りに思う深雪がまた良いのです。一つの仕草で楽しませてくれる深雪はキャラクターとしてとても魅力的。上手い。

 

さて、下巻では達也も九校戦に出場することになるみたいだが、一体どうなることやら。面白くなってきたことは疑いようがないし、どう料理してくれるのが期待してしまいます。

 

 Presented by Minai.