キリサキシンドローム (電撃文庫) [感想]
伊佐見遙彦はキリサキ魔と呼ばれる連続殺人犯と思われる少女と出会い、心臓を一突きにされ殺されてしまう。しかし、目覚めた遙彦は何故だか生きており、殺されても死なない不死者になっていた。
ヒロインの彼方は切り裂く快楽を止められないという、切り裂き症候群の持ち主。カッターナイフを手放せない彼女は、奇しくも同じ学校の生徒だった主人公を切り裂くことで、その衝動を抑えることになる。一緒にいても変に思われないように、彼氏彼女だと偽って学校生活をおくるところも裏切らない。
物語はラブコメよりになるのかと思いきや、学園異能の色が強くて、バトル要素も多めでした。作品としては一本骨が通っていて、長編として読めますが、章毎に短編としても楽しませてくれる。
また、アヤカシと宿主の関係を中心にそれぞれの話が出来上がっているので、そのキャラクターがなぜ異能者になったのか背景が見えてくると感動させるような作りにもなっている。堅実に安定した運び方をするなと印象付けられました。
個人的には、遙彦と彼方のラブコメをもっと読んでいたい。交際を申し込まれることが面倒になった彼方が遙彦と交際していると嘘をつき、セックスもしましたと言い切ってしまうその豪胆ぷりは凄い……かと思ったら、考え無しで。
ミステリアスで冷静で強いかと思ったら、おっちょこちょいというか不器用というか。彼方の可愛らしさが良いですね。面白かった。
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- 作者: 小林三六九,池田靖宏
- 出版社/メーカー: アスキーメディアワークス
- 発売日: 2011/11/10
- メディア: 文庫
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