アキハバラヴァンパイアナイト 2 (MF文庫J) [感想]
こいつら、毎日を楽しんでるなー。
登場人物たちがサブカルチャーに対して理解がありすぎるといういか、愛にあふれているというか。読んでいてキャラクターの明るい感情が伝わってくる。今回は雫の所属するSSAの隊長、ギラが日本にやってきたことから、カズマを巻き込んだ日常が展開されていくのだが、これが楽しい。
雫は部隊を無断で抜け出してきているので、当然ギラは強制連行しようとする。雫は咄嗟に、日本へ赴いた理由を語るのだが、その内容というのは日本は訓練施設が溢れているというもので……。頑なに休暇ではなく訓練をしにきたのだと言い張る。
もちろん、日本には訓練施設などないわけで雫の嘘なのだけれど、訓練施設だとギラに案内したのは日本のゲームセンター。ここでシューティングゲームや格闘ゲームに興じる内に、本当に訓練に役に立つと信じ込みオタク文化に入り込んでいく。
ギラは仕草から可愛らしいです。戦闘では無類の強さを発揮しますが、彼女も女の子なのです。ゲームに嵌っていく彼女は吸血鬼兄妹の空気を感じました。ラブプラスみたいなゲームに本気でキスをする絵を想像して悶えてしまいます。そんな残念な子です。
小学生にしか見えないけれど18歳であるギラが、初めて子供らしく遊びに真剣になった。物語はその辺りをしっかりと描写しつつ、人外とのバトルを含めて展開に無駄がない。コミカルを重視しているので文章量が少ない中で一切の無駄なく構成されている物語は美しい。
クルスとシンクレアもバイトなどをお互いに始めたりして、すっかり現代社会に溶け込んでいます。特にクルスは楽しんでいますね。変態紳士を鏡でしょうね、気持ち悪いです。でも最後みたいに、やるときはやる男。
面白かった。
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- 作者: 七位連一,Anmi
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
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