図書館革命 図書館戦争シリーズ4 (角川文庫) [感想]
バレンタイン商戦が始まったころ、原発を狙ったテロが発生した。そのテロは、小説「原発危機」の内容と酷似しており、小説がテロの元になったとメディア良化委員会は厳しく批判。著作者である当麻蔵人を捕らえ、さらに自由な著作を規制しようと動き始める。
言論の自由を守ろうとする図書隊の戦いが熱かった。
著作者までをも逮捕しようとする、そこまで攻勢に出てきた良化委員会には強い憤り感じた。同時に、テロ特措法まで持ち出して当麻蔵人を拘束しようとする姿には薄ら寒いものを覚える。――まるで人事ではない。
規制がエスカレートすれば、国家反逆罪ではないけれども目障りな人間はテロ特措法を適応させられ、テロリスト認定されて警察に捕まるというシナリオがそこにある。当麻蔵人の置かれた状況はまさに恐怖だった。
それでも真っ向から立ち向かう。
物語中盤では匿っていた当麻を各国の大使館へ亡命させる計画が立案されるのだけれど、動き回る堂上と郁を応援しないわけにはいかない。良化隊から逃げ回る彼らを手に汗握りながら眺めていましたし、手助けしてくれる人物たちの心意気には涙が出てくる。
また、逃亡劇の最中、周りを無視して自分たちの世界に入ってしまう堂上と郁にはニヤニヤでした。好きな人のために頑張れるのは素敵。面白かった。満足です。
Presented by Minai.
- 作者: 有川浩,徒花スクモ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/06/23
- メディア: 文庫
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