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その男、魔法使い”A” 1 (ファミ通文庫) [感想]

その男、魔法使い”A” 1 (ファミ通文庫)

 

榊一郎藤城陽、「ストレイト・ジャケット」のコンビが描く新シリーズ。

 

一九九九年、アメリカ合衆国国防総省に激震が走る。アメリカが誇る第二艦隊が一人の男によって蹂躙されるという冗談みたいな状況を見せ付けられていたからだ。魔法を行使し、僕を従える男の目的とは何なのか――。

 

毎回のように思うけれども、著者の文章は読みやすい。物語の展開の仕方から登場人物の仕草まで、丁寧に描いてくれるのですんなりと場面を想像することが出来る。流石です。

 

そんな本作はこれから何かが起こっていくという序章の位置付け。第二艦隊との戦闘と、主人公となる女の子の過去などを丁寧に描いています。時代が時代なので、コンピュータが普及されたことなどの時代背景を描いているのは、個人的に好きだ。

 

特に、主人公がPCでメールのやり取りをする場面が印象的。日に数十件、数百件のメールが飛び交い、その中にはスパムメールもあって、それらの情報を事務的に切り分けていく姿はまさに現代人のそれだった。必要、不必要に関わらず、情報が波になって押し寄せる。

 

作中、友人が結婚したという報告メールでしてくるのだが、それに対して主人公はそうなんだと納得するだけで、感情の起伏はない。彼女がペンタゴンという特殊な環境で働いているせいでもあるでしょうが、現代人ってそうかもしれないと思わされました。

 

面白かった。一巻は上巻というような内容なので、その辺りは心得ておく必要があるかもしれません。

 

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その男、魔法使い”A” 1 (ファミ通文庫)

その男、魔法使い”A” 1 (ファミ通文庫)