彼女がフラグをおられたら 俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ (講談社ラノベ文庫) [感想]
主人公の旗立颯太は人生における分岐点――フラグを見ることが出来る不思議な力を持っていた。転校した高校では当然のように質問攻めにされ、転校生らしくクラスメイトに興味をもたれるのだが……、颯太は友情フラグ、恋愛フラグと次々にフラグを折りまくっていく。
何故、自ら孤独を選ぼうとするのか。物語を読んでいくとその理由が分かってくる。
登場人物も可愛らしいです。わざと人と距離を置こうとする颯太の行動に疑問を持った菜波、幼馴染で颯太を弟のように溺愛する菊乃、折ったはずの友情フラグを復活させ何度でもフラグを立て直す茜、男だけれど女の子に見える恵。誰もが個性的。
また、彼女たちが持っているフラグが特殊であることも面白い。ラブコメはラブコメなのだけれど、フラグというギミックが加わり、尚且つ上手く機能しているので新鮮に読める。
キャラクターとしてはダダ甘お姉ちゃんの菊乃が好きです。とことん颯太に激甘なので、こんなお姉ちゃんがいたら本当にダメ人間になりそうです。恋愛的なアプローチをもはや超越している姉弟愛。クラスメイトに嫉妬されるのが当然です。
引きも良かった。死亡フラグという物騒なものが見え隠れしてくるから続きが気になる。漫画やゲームなら死亡フラグもギャグで済むけれども、もし颯太のように死亡フラグが実際に見えたらゾッとする。他にも、自分に近づいてくる人間の心がフラグとして見えるわけだから人間不信になりそうで怖い。
面白かった。
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彼女がフラグをおられたら 俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ (講談社ラノベ文庫)
- 作者: 竹井10日
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/11/13
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