付喪堂骨董店 “不思議”取り扱います (電撃文庫) [感想]
不思議な力が宿った品物”アンティーク”にまつわる物語。
付喪堂骨董店~FAKE~には、世にも珍しい商品が並んでいるのだが、そのほとんどは何の力も持たない偽物。けれど、稀に本物が紛れ込んでくるからオーナーの目利きはいいのか悪いのか。
偶然を操作する振り子を手に入れた少年。触れた者の病を治し、触れた者は不治の病に冒されるという相反する噂のある像。書き記したことは絶対忘れないノート。お金が消える財布。の四篇から構成されている。
それぞれアンティークの特徴を上手く使いながら、魅力的なお話に仕上がっていた。主人公はいるが、全てが主人公視点というわけではなく、様々な角度から物語を追っていくことになる。基本的に暗い雰囲気に静謐とした空気が漂うが、ふとした瞬間に光が差し込むのが楽しい。
ミステリーの要素もあるけれど、一番はキャラクター。設定の中で動き回るキャラクターたちが魅力的。
特に咲は良かった。感情を表に出さない彼女だが、最後の話などでは普段見せない感情を見せてくれたのでこちらまで頬が緩む。アンティークとはあまり関係がないおまけストーリーなのだが、こういう話を入れ込んでくれるのが純粋に嬉しい。
世界観と設定に嵌りました。面白かった。
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- 作者: 御堂彰彦,タケシマサトシ
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