不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫) [感想]
宝条軍学校の傭兵科に通う凪は、ある日、廃材の山に放置されていた少女の人型機械体を発見する。元来、機械マニアで、本当は機械工学科へ入学したかった凪は、彼女を持ち帰りさっそく修理するのだけれど――。
キャラクターの作り方がとにかく上手い。女の子たちが生き生きとしていますし、そこに人型機械体と人間の境はない。騒がしく日常を楽しんでいく姿をみるのが微笑ましいです。
いつも天然を振りまいているドジなイリス。メイドのプログラムをされても、どうにも家事が上手くならない。料理をすれば食材が炭になり、掃除をすれば部屋を破壊。メイドとしては致命的ですが、頑張る姿が可愛らしい。機械らしく機械ではない、主人公に対しての仕草や行動が人間とは異なっていて可愛らしいのです。
また、同じく人型機械体であるミカエルも可愛らしい。キャラクターの中では一番好きかもしれません。普段はツンケンして、いつも主人公に怒っている印象の彼女ですが、言動から見えてくるものは乙女というか可愛らしい女の子。
人型機械体らしく約束は守るように出来ているといいながらも、ミカエルほどの高度な機械体となると自ら判断できるはず、それでも丸一日主人公のことを待っていたというのだから健気過ぎる。主人公のことが好きなのだなと随所から伝わってきます。
禁断水晶と幽幻種。
世界観は著者の作品と繋がっているので、楽しい日常もあれば救いのない戦いも描かれていきます。絶体絶命の中、軍用で圧倒的な強さを誇る機神すら超える存在、神性機関として目覚め主人公を助けるイリスは格好良い。
熱い王道の展開に大切な人を守りたいというそれぞれの想いも加わっているので、手に汗握らされました。面白かった。
Presented by Minai.
不完全神性機関イリス 154cmの最終兵器 (富士見ファンタジア文庫)
- 作者: 細音啓,カスカベアキラ
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/09/07
- メディア: Kindle版
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