アリス・イン・ゴシックランドIII 吸血機ドラキュラ (角川スニーカー文庫) [感想]
吸血鬼。
ロンドンで発生した吸血鬼事件。ジェレミーとイグレインは大吸血鬼ウラドを追っていくうちに、大英帝国の存亡に関わる大事件に巻き込まれていく。中盤までは感じさせないが、終盤のクライマックス感が半端ではない。
正直、物語は終わっていないのだけれど、どうやらこれで完結の模様。もう少し続きを読みたかったので残念でならない……。
歴史や小説、映画などに登場した登場人物が入り乱れての総力戦は熱かった。ただでさえ名前が聞いたことのあるキャラクターと、ジェレミーたちが共闘しているというのも読みどころだが、そこにこれまで登場した人たちも現れるので読み応えがある。
思わぬ形でネオヘルファイアクラブと力を合わせるジェレミーが印象的でした。特に、ジェレミーの姉の謎が明らかになったのは大きかったけれど、もっとゆっくり読みたかったという思いもあって複雑。吸血鬼と絡めてくるところは胸躍る展開なのでなお更でした。
作中で描かれるアリスとジェレミーの関係は切ないですね。突き放して、後悔して。ジェレミーもアリスのことが気になって仕方が無い。ジェレミーとイグレインの恋愛模様も良いところで終わってしまうので、もっと続きが読みたい……、世界観も素晴らしいし読みやすく安定した面白さだったと思うのだけれど、どうしてだ……。
それでも堅実に、かつ著者の作品が持つ魅力を存分に出して纏め上げたのは流石。
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アリス・イン・ゴシックランドIII 吸血機ドラキュラ (角川スニーカー文庫)
- 作者: 南房秀久,植田亮
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2012/01/31
- メディア: 文庫
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