小夜音はあくまで小悪魔です!?1 (講談社ラノベ文庫) [感想]
悪魔メフィストフェレスの孫である小夜音は、人間と魂の売買契約をするため人間界にやってくる。魂遺物〈ソウルレリック〉と呼ばれる特別な魂を持った主人公の嶽人と、魂の売買契約を結んだ小夜音だったが、何故か嶽人の魂の価値は13円しかなくて――。
嶽人はどれだけ善人なんだ……。目的や目標が無かったので小夜音に善行をしろと言われたままに、善行をしまくるのは流されているように見えるけれども、弱音も吐かずに本人も納得した上で善行を行っていくのは凄い。物語が進むと、善い事をするのが目的になっていくので、特別な魂を持っているというのも理解出来ます。
また、嶽人の適応能力や度胸といったら素晴らしいものがある。引き篭もっていただけの彼が、小夜音の一言で変わろうと思えたのは、心の底では今のままじゃダメで変わりたいと思っていたからではないかな。学校に行こうと決心するまでも早くて、コミュニケーション能力が無いわけでもない。行動に移せる勇気は元から持っていたものだ。
終盤の展開では、嶽人に全てを投げ打ってでも守りたい大切なものが出来たことが描かれており、その決意は本物でした。感慨深い。
ヒロインの小夜音も可愛らしい。魂の価値を上げることが目的だったのに、変わっていく嶽人と一緒にいることで、彼のことが気になり始める。嶽人の気持ちを推し量るような言動が何とも女の子でした。
面白かった。
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- 作者: 東出祐一郎,吉田音
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/02/02
- メディア: 文庫
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