羽月莉音の帝国 10 (ガガガ文庫) [感想]
完結。
日本と戦争することになった革命部。初っ端からミサイルの嵐で、艦隊と基地を破壊していく様は凄かった。また、それ以上に、人類の敵だと批判され、あること無いこと情報操作される恒太の存在感といったらない。物語が進むごとに凶悪になっていく恒太という像。作中でもあったけれど、恒太に殺された人数がアホみたいに積みあがってハイパーインフレしていく様は笑える。
第三次世界大戦。
核ミサイルを切り札に、アメリカと互角に渡り合おうとする革命部。同時に演説戦争でもあったので、そちらでも魅せてくれる。民衆を感情論で煽りに煽り、戦争することこそ正義だと主張するアメリカ。相変わらず衆愚呼ばわりで、新世界構想を掲げる恒太。そして、大原総理。それぞれの演説が熱いので思わず聞き入ってしまう。
大戦の果てに、勝ち取り、失い、何が変わったのか。完結の仕方も、この作品らしいと感じざるを得ない。色々な意味で、そうすることが正しいように思えた。本当に色々な意味で。
これまでもそうであったように、絶望的な運命が待っていようとも信念を持って志し高く、全力でぶつかって後悔はしない。仲間との絆を大切にする姿は、作品が持っているテーマの一つでした。人生に置いて、親友とは大きな存在なのかもしれません。
この作品を読んで、少なからず見ていく世界が広がった気がします。現実世界とリンクしているように描かれていただけに、リアルタイムで読めたのは幸運でした。面白かった。
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- 作者: 至道流星,二ノ膳
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/02/17
- メディア: 文庫
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