Tとパンツとイイ話 2 (MF文庫J) [感想]
バッカお前やめろよ、何だよXって、思わず想像しちゃって笑っちゃったじゃないか。Xに腹抱えて笑っちゃったじゃないか、腹筋痛いわ。――思わずテンションまで可笑しくなってしまうくらい面白い。著者の頭の中どうなってるのと、天才なんじゃないかと思う。
コミカルなギャグパートはとことん笑わせてくれる。陽太の鋭い突っ込みが光ります。アホなことばかり言っているキャラクターたちが、変則的なボケや台詞を口走るものだから、予想できなくて笑ってしまうのだ。白けさせない絶妙な按配は素晴らしい。
笑いだけじゃない、強烈なラブコメ。
この辺りも変わらずなのだけれども、陽太と光里の距離が近い近い。一般的なラブコメなら、告白まで引っ張るのが自然だろうけれども、この二人の場合はすでにそこを超えている。夢の中というシチュエーションではあるが、光里から陽太に自分のことをどう思っているのか問いかけるというのは、もう読んでいて悶える。
声を大にして、早く結婚しちゃえよ、といいたい気分。
しかし、陽太は光里のことが大好きだというのが分かっていても、そこにジョゼ子という新ヒロインをぶち込んでくる著者は流石すぎる。これまた典型的なツンデレなのだが、一極突き抜けていることで強力な個性。言動から滲み出る陽太好き好きオーラが半端じゃない。ジョゼ子さん可愛いよ。
そして真面目な影時が格好良すぎた。空気を読み、縁の下の力持ち、実は登場人物の中でも一番大人なのではないだろうか。将来のビジョンもしっかり持っているし、親友を大切にしていることが言葉の節々から伝わるとともに、後姿で格好良いと印象付けられるとは。ただの変態紳士ではなかったのですね。
本当にこの作品は、色々な要素が絡み合っていて、突き抜けていて強烈過ぎるのに軸がぶれない。著者のバランス感覚は気持ち悪いですね、カオスなのに成立している。面白かった。
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- 作者: 本村大志,前田理想
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2012/02/23
- メディア: 文庫
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