スカイ・ワールド (富士見ファンタジア文庫) [感想]
MMORPGダイブモノ。
ガッツリとMMORPGだなという印象を受けました。読み手に配慮してなのか情報を小出しにすることで、タイミングを上手く調節していましたが、MMORPGとはこういうものですよ、という説明が多い。職業によっての役割だったり、レイド級モンスターとの戦闘、MPKなど、それらしい単語が並ぶ。
だからなのか、ゲームをやっているという感覚で読むことになる。
ファンタジー世界にダイブしてしまい、現実に戻れないという物語の核があるわけだけれど、主人公は純粋にゲームとして楽しんでいるし、どうやったら効率的にゲームクリアが出来るかと思考しているので、あくまでゲーム。
3回連続で死んだ場合のデスペナルティが、本当に死ぬのかログアウトできるのか判明していないが、理不尽なゲーム世界から出られないという圧倒的な絶望感が漂っているわけではない。現実としてゲーム世界で暮らしているという感覚は、各キャラクターからは感じなかったので、明るく読める。
システムのバグをついた、違反級の裏技。
レイド級モンスターを3人で倒すというありえないことをやろうとするにあたって、駆使するのは本来のゲームならペナルティを受けるであろう裏技。地形を利用したり、特殊アイテム効果を組み合わせたり、バトルは精神的な部分と仲間の絆を見せてくれたので、そこはファンタジー。――最後は必殺技で沈めてしまう主人公には脱帽。
ナンバリングされいるので続きを期待してしまうが、出来れば次は全員が一気にレベルが上がったところから読んでみたい。面白かった。
Presented by Minai.
- 作者: 瀬尾つかさ,武藤此史
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: 文庫
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