オカルトリック (このライトノベルがすごい! 文庫) [感想]
イソラ怖い……、怖い。
登場人物がとにかく強烈で個性的だ。オカルト専門の探偵である葛乃葉は、助手であり主人公である玉藻のことが大好きで依存具合が半端ではない。料理は玉藻に作ってもらい、風呂も一緒に入り、玉藻以外の人間とは接点を作らない。
恐らくヒロインであろうイソラも黒いドロドロとしたヤバさがある。精神的に疾患があると言えば分かりやすいだろうか、最後まで読むと一般的からは逸脱していることが読み取れて薄ら寒い。
全員が狂っているし病んでいる。
探偵モノであり、オカルトが入っているからか、血みどろの描写があるのだが……凄い。伏字になっているとはいえギリギリのラインまで書かれている。本当に発売して大丈夫なのだろうか心配になるほどで、その醜悪さに気持ち悪くなる。
面白いのは玉藻くんの特徴的な独白だ。たまに暴走するときはあるのだけれど、基本的には何事にもマイペースに応対しつつ、読み手に問いかけてくる。彼も彼で壊れているけれど、その性質が面白い。
会話劇の部分が大きいのもあるが、強烈なキャラクターたちで展開される物語は病的で重い。ライトノベルの暗黒面が楽しめる人なら面白いはず。
Presented by Minai.
- 作者: 大間九郎,葛西心
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2012/05/11
- メディア: 文庫
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